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  • 執筆者の写真友希 齋藤

瞬間

158×227mm

ケント紙、アクリル絵具

この絵は人生で一番感動した瞬間を、ガラスが割れて散らばる様子で表現しました。


私の昔の将来の夢は宇宙飛行士でした。たしか図書館で宇宙の図鑑を見て自分も行きたい、みたいなことを考えたんだと思います。小学3年生の時だったと思うのですが、しっかり自分の意志で「これになりたい」と思ったので、とても印象に残っていました。この時まではなりたいものが無かったので、そういうことを答える場面では人の真似をして適当に答えていました。そのためそのころなんと言っていたか全く覚えていません。


とはいえ、いつのまにかこの将来の夢はだんだん変わっていくもので、今は美術に関する仕事をしているのですが…


はじめに書いた「人生で一番感動した瞬間」って何だよという話ですが、具体的に言うと「本物の宇宙飛行士に会った瞬間」です。

確か5、6年前くらいに大西卓哉宇宙飛行士のミッション報告会というのが東京ドームシティホールで開催されました。国際宇宙ステーションでどういう活動や実験をしてきたか、ということを一般の人に報告する大きな会です。当時私は大学3年生だったと思うのですが、宇宙の絵も描いていたので、ちょっと参加してみるかと思い参加しました。

大西卓哉宇宙飛行士が話した内容は正直忘れてしまった部分もありますが、本人がホールに入場してくる時、一番感動したんですよね。「宇宙に行って地球に帰ってきた人」ということが急に現実味を帯び、実現できる人間の技術の素晴らしさや、大勢の人々の努力なども同時に感じました。その時の感動・衝撃が、ガラスが割れて散るイメージと重なりました。

描かれた宇宙飛行士は大西卓哉宇宙飛行士で、周りの魚たちは報告会に参加していた人々で、手前のマンボウは私自身です。記憶はだんだん薄れていくもので、色褪せないうちに絵に残したいと思いました。

小さな子どもが、自分のおもちゃ箱に大事に宝物をしまうような感覚を絵柄にも表現したいと思い、おもちゃっぽい可愛い感じの雰囲気を目指しました。もともとF50くらいの大きさで描こうとしていたのですが、上記のような雰囲気を大事にするなら、合わせて作品のサイズも小さめなサイズ(158×227mm)が良いだろうと思い、最終的に写真のような仕上がりにしました。



ちなみにガラスが割れた様子は実際にガラスを割るわけにもいかないので、3DCGソフトの「blender」で再現して絵を描く参考にしました。


ソフト上でどうやっているかは以下の動画をぜひご覧ください。


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