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  • 執筆者の写真友希 齋藤

invisible

320×410mm

アクリル絵具


invisibleは「目に見えない」という意味があります。


普段生活していて、ふと空を見た時に雲の形が何かの動物に見えたり、綺麗な色に癒されたりなどの経験は誰でもあるかなと思います。そういうイメージで、空に飛行機雲ができていて、雲の形はマンボウ、綺麗な都会の建物を描きました。

しかし、この絵を見た人は、何か奥の景色が見えにくいなと感じたかもしれません。手前にフェンスを描いたためです。

なんでわざわざフェンス越しの景色を描くんだ?と思うかもしれませんが、一応理由がありました。


私自身、空を見た時に雲の形が何かの動物に見えたり、綺麗な色だと思ったりすることが減ったのでは?と最近思いました。

福島に住んでいた頃は意外と小さなことでも面白いことが発見できたのに、最近そういう感覚が減ったなと思いました。(空関係以外だと例えば面白い形の葉っぱが落ちてるのを見つけるとか、通ったことのない道を通るとか、セミの抜け殻がどこに一番多いか見つける、とかそういう感覚です)

こういうしょうもないことが楽しかったり、面白いと感じたりすることが人間の豊かさでもあると思います。そのため、そういう感覚を自分含め、色々な人にも少し意識してもらいたいと思い、フェンス越しの景色を描きました。

もっと具体的に言うと、見ようとすれば見えるけど、意識していない本人には見えない、「invisible」状態ということです。

フェンスを写真に撮ろうとすると、奥の景色がぼやけてよく見えません。逆に奥の景色にピントを合わせると、フェンスがぼやけて見えにくくなります。そこで、景色がちょっと見えにくいことを表現するためにはフェンスが良いだろうという結論に至り、このような作品が出来上がりました。


見ようとしないと見えない、この感覚をまた少し取り戻したい、そんな気持ちで日々を過ごそうと思います。



ちなみに建物の部分は、国立科学博物館の何階かの窓から見える景色を参考にしました。結構描きやすいように実物からは変えているので同じではないです。今回の絵のテーマに合わせて見えにくくしてしまったので、別な作品でこの景色をよく見えるように描くのも良いなと思います。実際見た時は夕方の時間帯だったので、次は全体的にオレンジ色で描こうかと思います。


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